桐生牧場は昭和23年より開拓農家として耕種農家を専業に子牛1頭から酪農を始めました。佐一郎氏が高校を卒業し家業を継いだ年に天災により栽培した作物が全滅し一度は農業を続ける事を断念しサラリーマンとして働きました。
それから約10年自家産により除々に頭数が増え昭和56年に20頭の牛を導入し牛舎を新築して酪農家として再出発、現在に至ります。
ご家族は2男1女、祖母を合わせて6人家族、現在は次男の直之氏が牛舎に入り手伝っています。直之氏は農林大を卒業後群馬県畜産試験場で研究生として在籍していた経験もあり大変有望な後継者です。
高校を卒業した年に栽培していたプリンスメロンやトマトが出荷直前に雹が降って全滅し仕方なく鉄工所に勤めたけれど今、止めなければずっと会社員のままだと思い30歳を目前に酪農業を継ぎました。
酪農はみんな大変だと思っている人もいるみたいだけれど会社員の時も苦労は沢山ありました。忙しい時は残業続きで休日もろくに無かったと思います。その仕事なりに苦労はつきものだと思います。サラリーマンと違う所と言えば酪農業は自分の思う様に仕事が出来ます。時間に縛られる訳ではないので融通もききます。
けれど牛は生まれてすぐお乳が出る訳じゃ無いし雄が生まれる場合もあります。今日やった仕事が直ちに結果に結びつく訳でありませんから逆にやりがいは大きいですよ。(笑)
人に使われたり使ったりの立場はありませんから金銭的にはどうか解りませんけど精神的には酪農のほうが楽かもしれませんね。(笑)
今は次男が後を継ぐと言って牛舎に入ってくれていますが昨今の景気情勢を見ても酪農業界の未来も決して明るい訳ではありません。諸手を上げて喜べないのが心情ですね。(苦笑)
牛乳を買ってくれる人達あっての酪農だと思っています。これからも毎日コツコツやっていきます。