お米を主に耕種農家だった先代の富一氏は昭和28年頃から田んぼに堆肥を播く目的で酪農を始めました。昭和50年代頃には館林市に北関東酪農業協同組合があり富一氏は組合長を務めた経歴もあります。
長男の修一郎氏は高校を卒業し北海道で酪農の研修に行く予定だったのですが、富一氏の体の不調により北海道行きを断念し家業を継ぎました。昭和52年に非酪農家出身の芳子さんとお見合い結婚。一男2女の三人のお子さんは既に成人され他業種に就いています。
現在はご夫婦二人でのんびり酪農生活を楽しんでいます。修一郎氏の趣味はカメラで毎年元旦には渡良瀬川の河川敷から登る日の出の写真を撮影するのが毎年の恒例にしているようです。
高校を卒業した後北海道に行く予定が親の病気で行けなくなり当時は悲しかったのですが今思えば大規模な牧場で研修するよりも後を継いで良かったかなと思っています。
研修に行った後こちらに戻り大規模経営に移行して失敗した酪農家の話なども後になって聞いたりしてね。この辺りの酪農は家族経営が基本ですから行けなくなって良かったって。(笑)
動物が大好きで広い所で自然と共に生活するのが夢だったので今でいう婚活で主人とお見合いしました。結婚が決まる前に先代が私を見に来て気に入って頂き(笑)話しがまとまったという感じでした。私も当初は主人より牛のほうが好きで結婚を決めた位ですので(笑)酪農家に嫁ぐ不安は全然ありませんでしたね。
当時は今ほど環境などに余り規制がありませんでしたので(牛舎裏)渡良瀬川の河川敷に放牧して青草を食べさせていました。当時は近隣に10戸程いた酪農家も今ではうちだけになってしまいたした。エサの値上がりや牛の不調などで大変な時期もありましたがようやく良くなってきたかなという感じです。勤め人であればもう定年の時期なんでしょうが毎日する仕事がある事は励みにもなり体にも良いみたいです。長年酪農をやってきましたが1年1産を目標に勉強の毎日です。生き物相手はなかなかマニュアル通りにはいかないのが苦しみでもありやりがいでもありますね。
最近は月1回必ずヘルパーを頼んで2人でストレス解消の為外出するように心がけています。今後はゆっくり趣味などをしてのんびりと酪農を楽しめたらなと思っています。
これからも循環型農業を実践しおいしい牛乳を絞っていきます。
消費者の皆さんも出来る限り地産地消を心がけていただければと思います。そうすれば農業はもっと元気になりますから。