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放射性物質汚染問題にについて

平成23年12月2日

東毛酪農業協同組合
代表理事組合長 大久保 克美



拝啓 

  日頃より東毛酪農の乳製品をご愛顧頂きまして、誠に有難うございます。

  私達は「本当に美味しい牛乳を皆さまに飲んで頂きたい」と言う思いと、「牛乳は健康な土から出来た餌で搾る」を信念に、安全にこだわり、美味しさを追求して来ました。
  しかしながら、今回の原発事故はその営みの全てを一瞬で壊してしまいました。
  行き場の無い怒りと、心の痛みは生産者の共通の悲しみとなっています。
  しかしながら、今までも「今出来る最善を尽くす」事を信念として牛乳作りをしてきた私達に出来る事はやはり今出来る最善を尽くし「牛乳を守る事」であると思っております。

  当初組合では、春の牧草を牛に与えることを躊躇致しましたが、先のホームページでのコメントに在りますように、やむなく少量ずつではありますが給与することにしました。
  これにより、9月下旬からの牛乳に若干のセシウムを検出することとなり、皆様にご不安とご心配をおかえしたこと、誠に申し訳なく思っております。
  現在、事故発生より9ヶ月が経過しようとしていますが、幸いな事に私達の周辺で生産された夏作のとうもろこしや牧草等からの放射性物質はあまり検出されず、このまま無事、終息に向かう事であれば、これ以上の汚染の心配はないと考えております。
  今後も油断することなく放射性物質の独自検査は続け、皆様のご心配やご不安を少しでも和らげられればと願うところです。
  11月中旬に行った製品の独自検査では「低温殺菌牛乳」や「給食牛乳」及び「東毛カマンベールチーズ」は不検出となりました。
  しかしながら、根利牧場で製造している「みんなの根利牧場」牛乳は暫定基準値内ではありますが、セシウム134が5Bq/kg セシウム137が12Bq/kg検出されました。
これは根利牧場が福島原子力発電所に地理的に近いことと、放牧による飼養管理が原因であるあることは明白です。
  この根利牧場は大自然に囲まれている環境にもかかわらず、放牧地は汚染されている事が放射能事故の恐ろしさを物語っておりますが、事故直前から定期的に計測している所に寄りますと、数値的には改善に向かってきている事が今後の希望の道しるべとなっています。


  今後も自主検査の結果につきましてはなるべく早く皆さまにお伝えすべく検査機関と連携を図っておりますが、精度を高める為一検体2時間の時間をかけた検査と検査機関の混雑もあり、遅れているのが現状です。何とか皆さまに早めの報告が出来る様、今後とも努力して、1日も早く事故以前のような自然に根差した酪農経営ができるように頑張っていきたいと思っています。
  どうぞご理解の程、宜しくお願い申し上げます。



敬具