組合では約30年にわたって、利根川の堤防や河川敷に自生する野草を刈り取り、自給飼料として供給する取り組みを行なっています。
昭和48年の第一次オイルショックでの輸入飼料高騰から、飼料の自家生産増量を目的に当初堤防清掃業者の刈り取った野草を運び出すことから始まったこの活動は、河川愛護団体として優遇されたことにより、野草の処理、河川敷の利用許可が与えられたことで、牧草地は現在150ヘクタールに及ぶ広さになりました。
また、利根川河川敷は下流で東京、埼玉への上水供給を行っている為、施肥はもとより、農薬の散布も行われていません。現在では消費者の皆様のご要望にお応えできる安全で安心な飼料として貴重な役割を担っております。
一方、これまで考えられなかった新しい作物が、知らないうちに私たちの食卓や家畜の飼料として登場しています。外見はこれまでと何ら変わりませんが、元々は持っていない遺伝子を組み入れる事によって、本来自然界には存在しなかった、除草剤に対抗性を持つ特質等の種子が作り出されています。それが遺伝子組み換え作物(GMO)です。
これらは、安全性への疑問、環境生態系への影響が心配されています。
しかし、現在の穀物市場では米国を筆頭に遺伝子組み換え(GMO)を使用した作物が年々増え続けており、非遺伝子組み換え(NON-GMO)飼料の原料は入手しづらい状況になっています。
そして、グローバルな市場の波にもまれる飼料の確保の中で、現在輸入飼料の殆どが遺伝子組み換え飼料(GMO)となっているのも事実です。
このような状況の中、現在私達が生産しているNON-GMO商品は「みんなの根利牧場」「みんなの牛乳」です。
消費者の皆様に正確なトレーサビリティーを行える様、輸入している飼料は、各国の契約農家から、NON-GMO飼料として証明できる穀物だけを取り扱い、東毛酪農の組合生産者に届くまでの履歴、各種証明、検査を経て食の安全の安定確保に努めています。
価格が先行する消費者マーケットにおいて、私たち組合では、可能な限り安全な本物の良い牛乳を生産し、適正な価格で消費者の皆様にお届けしたいと考えております。
しかし、今後ますますNON-GMO飼料の確保が更に厳しくなっていくと予想される中、何とか酪農の原点である自然に寄り添い、牛にも人にもやさしい牛乳作りを実践、継続していきたいと、組合生産者の自給飼料の牧草作りや、食物残さを取り入れたエコフィードの活用等を積極的に取り入れて、今後の酪農の可能性を模索しています。
昭和58年頃
平成20年